エアクリーナー洗浄方法 |
機械を使う上で一番注意しなければならないことはエアクリーナーです。 汚れやすいパーツですし、汚れの度合いがすぐにエンジンの調子に反映します。 エアクリーナーが汚れると空気流量が少なくなります。 燃料が濃くなりエンジンの回転があがらなくなったり、すすやカーボンが蓄積しやすくなります。 ひどく汚れるとエアクリーナーの隙間からゴミがエンジン内部に吸い込まれていきます。 研磨剤を吸い込むのと同じです。 吸気側のピストンの下部スカートという所が摩耗するとエンジンがかかりにくくなったりスローがきかなくなったりします。 燃料の吹き戻りも多くなりエアクリーナーがガソリンでぬれてしまいます。 またエアクリーナーが破損するとエンジンに深刻なダメージを与えることになります。 (大きいゴミが進入し焼き付きを起こす。) エアクリーナーは毎日洗浄し、破損していないか点検しましょう。 また出来れば予備を常時準備しておきましょう。 そうすることで機械を長持ちさせ、十分なパワーを引き出すことが出来、作業の効率アップにつながるでしょう。 |
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☆コンプレッサーがある場合 一番簡単で効果の高い方法はコンプレッサーでエアクリーナーのゴミを吹き飛ばすことです。 そのとき先にエアクリーナーを灯油かガソリンにつけておきそれから吹き飛ばすとさらに効果的です。 しかもこの方法だと、洗浄後すぐにエアクリーナーを使用することが出来ます。 コンプレッサーにスプレーガンとエアーガンがあれば万全です。 右の写真スプレーガン(呼び名はいろいろあります。) 空気といっしょに灯油も吹き付けて汚れを飛ばします。 |
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☆中性洗剤で洗う 洗剤を水に溶かしその中にエアクリーナーを浸します。それからやさしくエアクリーナー自体を動かし汚れを落とします。 それぞれ皆さんのやり方があるでしょうがくれぐれもエアクリーナーを破らないようにしてください。 それから洗剤分が残らないように流水で汚れと洗剤を洗い流しましょう。 十分に乾燥させてから取り付けてください。 水分がエンジンの中に入らないようにしてください。 水と油の関係でピストンに潤滑油が回りにくくなり焼きつきの原因になります。 |
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右のエアクリーナーを使い続けると、まずエンジンが吹かなくなる、そして燃料が濃い状態になりスラッジカーボンが溜まりやすくなる。 エアクリーナーの隙間から木くずなどのゴミが進入してくる、ゴミ=研磨剤です。 必然的にエンジンの調子は悪くなります。 たまにエンジンが吹かないといってキャブレターを絞る人がいますが、それをやってエンジンの回転はあがりますが、正規のパワーはでていません。 燃料と空気がいかないのですから当然の事です。 灯油や洗剤で洗浄して見た目がきれいになったエアクリーナーでも長く使用しているものだと完全に汚れが取れていないこともあります。 フィルターの目に目に見えないようなゴミが詰まっていてりするのです。 こういうときも新品のエアクリーナーと交換しなければなりません。 エアクリーナーは一番最初の点検修理項目です。 |
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☆エアクリーナーといえばどうしても書いておきたいことがあります。 当店のお客さんで森さんという方がいました。 過去形になっているのは数年前に癌で亡くなられたからです。 この人ほど仕事と道具に対してプロフェッショナルな考え方をしている人はいませんでした。 いろいろな逸話がありますが、今回はエアクリーナーの事を書きます。 森さんは仕事の状況によっては、午前中と午後とでエアクリーナーを変えるというくらいの人でした。 ある時私が、エアクリーナー少々汚れても1日位なら使えますよそれに回転が落ちればキャブレターを絞ればいいですよというと、森さんは俺はキャブレターはさわらないといいました。 最初はキャブレターのことが解らなくてさわらないのかなと思いましたが、よく考えるとデジタル回転計も持っているし、自分の所有している機械の最高回転数やアイドリング回転数の資料をメーカーから取り寄せてくれというくらいの人ですからそれはないなと思いました。 なぜですかと聞くと、森さんは仕事の前に家でチェンソーがきれいな状態で最高回転数がでるように合わせてきている。 それが一番パワーがでるキャブレター調整だから現場でさわる必要はないとのことでした。 汚れが原因でエンジンの回転があがらないときは、エアクリーナーを交換するだけですぐに最高の状態にチェンソーが戻るという考え方でした。 それに汚れたエアクリーナーだとエンジンに負担がかかるだろとのことでした。 森さんは、だましだましチェンソー使うこともあるけど(年に1回くらい)道具は最高の状態で使わないと仕事の能率は上がらないという考え方の人でした。 森さんのおかげで私もだいぶん勉強させてもらいました。 (融通が利かなくて泣かせれもしましたが、良いお客さんでした。感謝) |